小型スーパー“都市の陣” 人口回帰で数少ない成長市場にのNEWS
参考記事(YAHOO2月14日NEWS記事)
コンビニエンスストアに押されぎみだったスーパーが、コンビニサイズの小型店を都市部に相次いで出店し、反転攻勢を強めている。コンビニ側も生鮮品を扱うなどして対抗、激しい“陣取り合戦”に発展しつつある。人口の都市回帰を背景に、都市部が数少ない成長市場として注目されているためだが、早くも過剰出店の可能性を指摘する声も出ている。
昨年11月に開店した、イオンの小型スーパー「まいばすけっと青山一丁目店」(東京都港区)。青山公園に近い店舗は終日ジャズが流れ、主婦や高齢者などの客足が絶えない。広さは約180平方メートルとコンビニ並みだが、生鮮品や牛乳などが主力のれっきとしたスーパーだ。
「これまで近くのスーパーまで歩いて20分はかかった」。店舗が入居するマンションに住む男性(61)は満足そうだ。店長は「安くて助かると声をかけられる」と胸を張る。まいばすけっとは2005年の1号店出店以来、現在は東京都と神奈川県に約250店を数える。他社も負けてはいない。マルエツは現在約50店の「マルエツプチ」を今後年間約20店ずつ出店する計画。中部が本拠地のユニーも名乗りを上げ、首都圏に「miniピアゴ」を今後5年間に300店出店する。いずれも都市部への出店を目指している。
総務省によると、2010年までの5年間で、人口が増加した9都府県のうち、増加率の高さでは東京(4.6%)、神奈川(2.9%)、千葉(2.6%)の首都圏が1~3位を独占し、都市回帰が進む。だが首都圏の都市部は、商店街の衰退やスーパーの撤退で買い物する店がない「フードデザート」状態にある。高齢化の進展で行動範囲の狭い高齢者が消費のボリュームゾーンとなった事情も重なり、気がつけば「地価が高くて採算がとれなかった」(大手スーパー)都市部が、成長余地が見込める数少ないマーケットに躍り出た。これが各社を都市部出店に駆り立てている。
まいばすけっとは、商品数をコンビニ以下の2000品目に絞り込み、レジを自動釣り銭型にするなど省力化を徹底し、低価格化を実現した。坪あたり売上高は「通常スーパーの繁盛店に匹敵する」(大池学まいばすけっと社長)という。マルエツプチは、食肉や鮮魚を物流センターから配送し、弁当類は店内調理や近隣店舗からも作りたてを供給する。また、「選ぶ楽しさを持たせる」(古瀬良多専務)ため、3500品目強の品ぞろえで差別化する。
新勢力に、コンビニも生鮮品強化や低価格化など、スーパーのお株を奪う戦略で迎え撃つ。ローソンは生鮮コンビニ「ローソンストア100」と既存のローソンを合わせた約1万店のうち、約5000店で生鮮品を扱う。品質管理が難しい生鮮品はマニュアル管理のコンビニにそぐわないが、研修の強化などで対応。セブン-イレブン・ジャパンは、グループのプライベートブランド(自主企画)「セブンプレミアム」を強化。バターロール1袋138円、低脂肪乳1リットル148円は、スーパーの値引品と遜色ない。
SMBC日興証券の川原潤シニアアナリストは「スーパーとコンビニの品ぞろえが近くなり、境界線はなくなりつつある」と指摘する。品ぞろえが似通えば、商圏も重なる。コンビニ大手3社は12年度、過去最高の3150店の出店を計画中で、業界の垣根を越えた出店競争は避けられそうもない。
この競争に微妙な影を落としそうなのが、東日本大震災後の消費動向だ。住宅地に近いコンビニは主婦なども来店するようになり、「生鮮品や日配品がコンビニで売られていると気づいてもらえた」(ローソン生鮮CVS推進部の池田鋼一郎部長)。コンビニのニーズが高まればコンビニの退店が減り、コンビニ跡地の居抜きで出店コストを削減してきた小型スーパーの青写真が狂う可能性がある。
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